鈴鹿8時間耐久ロードレースの特徴
国内で開催されるロードレースの中でも、最大級として知られるのが「鈴鹿8時間耐久ロードレース」です。
「真夏の祭典」として名高いこのレースは「鈴鹿8耐」とも呼ばれており、毎年7月の最終木曜日から4日間にわたって開催されています。
レースは午前中の11時30分にスタートし、日没後の午後7時30分に終了しますが、真夏の炎天下を走り続けなければならないため、世界で最も過酷なロードレースとも言われているほどです。
バイクのブームが最盛期を迎えた1990年頃は、16万人もの観衆が決勝レースを見るために鈴鹿に足を運んだものでしたが、現在では平均して6〜7万人の観衆が鈴鹿8耐を楽しんでいます。
鈴鹿8耐で使用されるバイクは、レース専用の車両ではなく一般の市販車を改造したものです。
改造といっても、ルールが非常に厳しくエンジンやフレームなどにはほとんど変更が許されていません。
厳格なルールの中で、いかにバイクの性能を上げることができるかも鈴鹿8耐の醍醐味となっています。
鈴鹿8耐は、耐久レースといってもレーススピードが驚くほど速いのが特徴です。
スプリントレース並みのスピードで8時間走り続けるわけですから、レースの最初から最後まで気を抜けない面白い展開が毎年期待されます。
鈴鹿8時間耐久ロードレースの歴史
鈴鹿8時間耐久ロードレースが始まったのは、1978年のことです。
「インターナショナル鈴鹿8時間耐久ロードレース」としてスタートしたこのレースは、1980年から世界選手権シリーズに組み込まれ、数々の高名なチャンピオンを輩出してきました。
40年以上の長きにわたって開催されてきた鈴鹿8耐には、さまざまなエピソードが残っています。
開催期日が真夏ということで、台風による影響を受けたこともしばしばです。
1982年には台風の接近によってレースが6時間に短縮され、2018年にはTOP10トライアル(毎年土曜日に開催)が計時予選への変更を余儀なくされた他、2019年にも台風の影響によってTOP10トライアルが中止になっています。
鈴鹿8耐の公式記録ビデオは、1985年にホンダランドと飛鳥映像によって制作されたのが最初ですが、1986年には同時衛星中継も行われています。
その後1996年にはTBSが放送権を得、BSデジタル局BS-iで8時間完全生中継なども行われ、2002年からはインターネットライブ動画配信が開始されます。
そんな長い歴史と伝統を誇る鈴鹿8耐ですが、「2019-2020 FIM世界耐久選手権(EWC)“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第43回大会」はコロナウイルスの影響により中止の憂き目に遭いました。